WebMCP
WebMCP(Web Model Context Protocol)とは、ウェブサイトがブラウザ内で動作するAIエージェントに対して「このサイトでできること」を構造化されたツール(tool)として直接公開できるようにする、W3Cのウェブ標準案です。エージェントが画面をキャプチャしてクリック位置を推測する代わりに、サイト側があらかじめ登録しておいたツールを直接呼び出せるよう、制御権をサイト側に取り戻すことが核心です。
WebMCP(Web Model Context Protocol)とは、ウェブサイトがブラウザ内で動作するAIエージェントに対して「このサイトでできること」を構造化されたツール(tool)として直接公開できるようにする、W3Cのウェブ標準案です。エージェントが画面をキャプチャしてクリック位置を推測する代わりに、サイト側があらかじめ登録しておいたツールを直接呼び出せるよう、制御権をサイト側に取り戻すことが核心です。
なぜ重要なのか
AIエージェントが人間に代わってウェブサイトを操作する場面が増えるにつれ、人間向けのHTMLを逆解析する従来の方式は遅く、エラーが多いという限界が明らかになりました。WebMCPはGoogleとMicrosoftのエンジニアがW3C Web Machine Learningコミュニティグループで共同執筆した標準案で、2025年8月に初期ドラフトが公開された後、2026年2月10日にドラフトコミュニティグループレポートとして発表されました。同日、Chrome 146 Canaryにフラグベースのプレビューとして搭載され、2026年6月現在はオリジントライアルへと拡大し、実際のサイトでテストできるようになっています。2026年5月にリリースされたLighthouse 13.3には、WebMCPの適用状況を確認する「エージェンティックブラウジング(Agentic Browsing)」の監査項目が標準で含まれました。GoogleのJohn Muellerは2026年6月、llms.txtについて「現時点ではまったくの推測にすぎない」と評価する一方で、目標とプロセスが明確なWebMCPの方式を好むと述べています。
仕組み
ウェブページがJavaScript API(modelContextのregisterTool)でツールを登録すると、各ツールは名前、自然言語による説明、JSON Schemaによる入力定義、実行コールバックで構成されます。たとえば航空券検索、カートへの追加、見積もり依頼といった機能をツールとして宣言しておけば、ブラウザ内のエージェントはLLMのツール使用パターンそのままに、これらのツールを発見して呼び出します。数十回に及ぶ「スクリーンショット → 解釈 → クリック」の繰り返しが、構造化されたツール呼び出し1回に集約されるため、精度と速度の両方が改善されます。既存のフロントエンドのロジックをそのままラップすればよいのでページを再設計する必要がなく、HTMLフォームに注釈を付ける宣言的な方式も併せて議論されています。
MCP・llms.txtとの関係
- Model Context Protocol: 別途サーバーを運用してAIクライアントにツールを提供するサーバーサイドの標準です。WebMCPは同じ思想をウェブページ(クライアントサイド)に持ち込んだもので、ブラウザ上でログイン済みのユーザーセッションや既存のUIロジックをそのまま活用できる点が異なります。
- llms.txt: サイトのコンテンツを説明する静的テキストファイルで、「読み取り」を助ける提案です。WebMCPは「実行」を助ける呼び出し可能なインターフェースという点で役割が異なり、両者は相互に排他的ではありません。
Chrome以外のブラウザでの実装スケジュールはまだ公式に発表されていませんが、Microsoftが仕様の共同執筆者として参加しているため、Edgeのサポートが有力視されています。
Sources:
- What is WebMCP? - No Hacks
- webmachinelearning/webmcp (W3C Web Machine Learning CG) - GitHub
- Google Confirms LLMs.txt Has No Current Implementation - Search Engine Journal
How inblog Helps
WebMCPのツール登録は開発リソースが必要な領域ですが、その前段階である「エージェントが読みやすいコンテンツ」は今すぐ準備できます。inblogはセマンティックHTMLと構造化データ(JSON-LD)を自動適用し、ブログコンテンツをエージェントがパースしやすい形で公開します。製品ドキュメントやFAQ、ガイドをinblogで整理しておけば、エージェンティックブラウジングが一般化したとき、サイトのツールとコンテンツが連携して機能する土台になります。